蛍光灯は電気代を節約出来る?
Last update 2009/04/15 20:17
最近、エコやら省エネやらで蛍光灯が注目されていますが、蛍光灯は白熱灯のような電球に比べ、本当に省エネなんでしょうか?
電球形蛍光灯の歴史
電球形の蛍光灯の歴史はけっこう古く、1980年東芝が開発したのが始まりです。
当時は、20Wぐらいあったらしいのですが、今と最も違うのは重さ。
450gほどあったようです。
ちなみに白熱灯は32g。
10倍以上も重かったことになります。
そういえば、ちょっと前までの電球形蛍光灯は、けっこう重たかったのを覚えています。
現在発売されている計量の製品は、60gなのでかなりの技術の進歩があったんですね。
ワット数
蛍光灯の特徴として、白熱灯と比べ省エネということがあげられます。
現在発売されている電球形蛍光灯のパッケージを見ると、60W形電球タイプと表記されていることに気がつくはずです。
つまり、60Wの白熱灯と同じ明るさだよ。という意味です。
実際には、10~13ワットなので、10~13Wレベルの消費電力で60Wの白熱灯と同じ明るさになるよ。というわけです。
たとえば、10Wだとすると、電気代は6分の1。
家中の白熱灯をすべて蛍光灯に変えると、年間1万円ほど電気代が安くなる。というのを聞いたことがありますが、家の中を見渡すとけっこう白熱灯を使用している場所が多いことから、あながちウソではないように思います。
玄関の電灯
たとえば玄関を照らす電灯。
1日10時間ぐらいつけっぱなしですよね。
仮に60Wの白熱灯を使っていたとして、1時間あたりの1000Wの電気代を23円と仮定すると、
23円 × 60W/1000W × 10時間 = 13.8円/日
1日14円ほどの電気代がかかっていることになります。
365日に換算すると・・・
13.8円 × 365日 = 5,037円/年
となります。
これが10Wの蛍光灯だと、電気代は6分の1になるので
5,037円 ÷ 6 = 839.5円/年
となるわけです。
だいたい4,000円近い差が出ます。
1つの電球だけでこれだけ違うのだから、家中の電球を蛍光灯に変えれば、かなり差が出るような気がしますよね。
ほんとに60W形?
電球を蛍光灯に変えることで、年間の電気代をかなり節約出来ることに関しては、疑問の余地がありません。
ただ、今回色々な蛍光灯を使用してみて、一つ大事なことに気がつきました。
60W形と記載されていますが、ほんとうに60Wの白熱灯と同じ明るさなのでしょうか?
東芝 プライド
上の画像は、最新の電球形蛍光灯の代表でもある「東芝 プライド」という製品です。
ワット数は10Wなので、まさに60Wの電球と比べ電気代は1/6になります。
注意しなければならないのは、蛍光灯の点灯速度比較でも書いたんですけれど、気温が低い場所で蛍光灯を点灯させると、つきはじめは非常に暗いということ。
最近では、パナソニックのプレミアクィックという製品が点灯直後から明るい製品として注目を浴びていますが、たいていの製品はスイッチを入れた瞬間は非常に暗いです。
上の画像は、点灯後1分経過した状態で、ほぼ100%の明るさの状態になります。
この明るさが60Wの電球って事になります・・・・が・・・
40Wの電球
上の画像は、60Wの電球・・・ではないんですね。
40Wの電球です。
東芝の蛍光灯比べてみてください。ほとんど変わらないですよね?
横に並べて比べてみるとよくわかります。
色味は多少違いますが、明るさとしてはほとんど一緒だと思います。
残念ながら60Wの電球がなかったので、60Wの電球との比較は出来ませんでしたが、それでもこの画像を見れば一目瞭然。
60W形ではなく、40W形なんじゃないでしょうか?
40Wとの比較
家の中の電球をよく見てみると、ほとんどが40Wの電球ということに気がつきました。
もし40Wが主流だとすると、先ほどの電気代の差はどれくらいになるのでしょう。
23円 × 40W/1000W × 10時間 × 365日 = 3,358円/年
3,358円 - 839.5円 = 2518.5円
4千円の差から、2500円の差に縮まりました。
製品価格の差
ここで注意しなければならないのが、製品の価格差です。
蛍光灯の場合、白熱灯に比べ10倍近い価格差になります。
東芝のプライドなんかは、800円近くするわけです。
電気代と製品代の合計に直すと、それほど差が出なくなることになります。
階段や廊下の電球
階段や廊下の明かりは、リビングのものと違い文字が見えなくても、足下になにがあるかが識別出来る程度の明るさで充分です。
となると、40Wの明るさすら必要ないんじゃないでしょうか?
上の画像は、20Wの白熱灯の明かりです。
実際、私の家の階段は、色々な蛍光灯を試した結果、最終的にこの20Wの白熱灯が最も適しているという結論になりました。
階段の明かりは、1回あたり時間にしても3~10秒程度しかつけません。
それよりも点灯速度の方が、かなり重要です。
スイッチを入れた瞬間、パッと明るくないと「アレ?」って感覚になります。
そして、足下の階段の形状を照らす明かりは、この20Wの明るさで充分です。
仮に10秒間つけた場合の電気代は、
23円 × 20W/1000W × 10秒/60*60 = 約 0.0013円
1時間つけっぱなしにしても0.46円です。
電球形蛍光灯のパッケージに記載されている60W形というのは、なにを基準に決められているかは私はわからないんですが、生活のような実用面からすると、数値の比較よりも実際の感覚の方が重要だと思います。
最近、本当に白熱灯の生産を中止してしまっていいのだろうか?という疑問が常にあります。
今のうち買いだめしておこうかな・・・。w
廊下や階段の電球は、20年以上交換した試しがありません。
蛍光灯は寿命が長いというのも特徴ですが、使う場所によって白熱灯の「すぐにつく」という利点を考えると、白熱灯も十分利用価値があるんじゃないでしょうか?
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Yahoo!ブックマークに登録 2009/04/15 20:17 | | |